PTA連合会
(市町村PTA・郡市PTA・県PTA)

PTA連合会の発足と役割

 長野県内のほとんどの学校にPTAができた昭和23年に各町村単位のPTA連合会から各郡市PTA連合会へとPTAの連合会が結成されました。同年、8月25日には長野県PTA連合会が発足しました。PTA共通の課題に対して、PTAが連携していく必要性が確認され、連合会を結成する気運が高まったことによるものでした。当時、PTAが共通して抱えた課題は次のような内容で、現在においても通じている課題です。

  1. PTAの運営上の課題(役員の選出、会合の進め方、事業内容など)
  2. 学級PTAや地区(町内)PTAの必要性とあり方
  3. 教育委員会およびその他教育関係団体との連携
  4. 教育施策への対応(当時は6・3制実施などへの対応)

 また、昭和27年には日本父母と先生の会全国協議会(現在の公益社団法人日本PTA全国協議会※以降「日本PTA」と記す)が発足しました。昭和47年に日本PTAは家庭教育の向上とPTA女性指導者の養成などをねらいとし、母親委員会を設置して全国のPTAに母親委員会を編成するように働きかけました。これは、単位PTAの垣根を外して保護者の代表者が集まり、家庭や学級をはじめとする教育現場の声をまとめ、PTA会員同士が広く学び合う契機となり、PTA連合会の役割として、定着することとなりました。

TA連合会の活動概要

PTA連合会はPTAの連携組織として、概ね次のような取り組みをしています。

  • PTA代表者による意見交換、意見集約、調査研究、研修会(テーマは、「教育問題・課題」「教育施策対応」「PTA活動・運営」など)
  • PTA会員の啓発、PTAの共通課題に関する支援と活動活性化の促進(PTA指導者向けの研修会、参考書籍や資料の発行など)
  • 県市町村などの教育関係機関、教育関係団体との連携及び働きかけ
  • 単位PTAから日本PTAに至る連携促進(情報伝達および連絡調整)
  • 活動中の事故などに備えた安全補償制度の設立(安全互助制度、総合補償制度など)
  • 上記各項に関する情報共有と理解を広めるための広報活動

PTA連合会が抱える課題

会員の意識向上と社会情勢や教育現場の事情に合わせた改革が求められています。

PTA連合会が抱える主な課題

  1. 役員選出の時期が遅い(単位PTA、市町村PTA、郡市PTA、県PTAの順番で決定するため)
    • 次年度事業計画の準備期間が確保しにくい。
    • 次年度役員が事業計画に関わりにくい。(総会の表決権者は次年度役員)
      ※教職員の役員は毎年4月の人事異動後に選出する。4月~総会まで教職員役員は事実上、欠員となる。
    • 専門委員会などは常設となる。(目的を先行させて、専門委員会を設置することは難しい)
  2. 単位PTAと事業年度期間が1~2ヶ月ずれる(役員選出や決算報告の手続き期間の事情など)
    • 単位PTAの活動に合わせて、適切な時期に事業が行えない場合がある。
    • 事業年度と会計年度をずらして運営する場合、予算計画と決算報告の手続きが煩雑になる。
  3. 単位PTA、市町村PTA、郡市PTA、県PTAの役員兼務(それぞれに専念できない。)
  4. 単年度輪番制による役員選出が多く、運営が不安定になりがち(事務局も輪番制の地域あり)
  5. 会議、研修会などに伴う長距離の移動
    (会合などの回数や開催時間の制約、高額な旅費交通費、参加者の負担感など)
  6. 市町村PTA、郡市PTA、県PTAによる類似研修の重複
    (大規模郡市PTAの会員は研修が重複し、重複を避けると小規模郡市PTAの会員は研修の機会が無くなる)
  7. 教育行政機関の管轄と郡市PTA管内の不一致
    (連携のしにくさ、効率の悪さ、要望や働きかけのミスマッチなど)
  8. 少子化による財政規模の縮小(事業費率に対して、事務局関係費など固定経費率の増大など)

PTA連合会の組織系統図

単位PTAから日本PTAまで、連携組織としてのつながりがあります。

 

チーム信州PTA
~学びと連携~

 令和元年度に長野県PTA連合会は、結成70周年を迎えました。そして、新たなビジョンをもって、挑戦、そして進化する新たな10年に向けての第一歩を踏み出しました。正解とゴールのないPTA活動を推し進めていくためには、「学びと連携」即ち、大人同士があらゆることについて学び合い、そして、家庭、学校、地域、企業、関係諸団体がより一層連携することにより、子どもたちにとって「家庭で育て、学校で鍛え、社会で磨く」環境を整えていくことが大切であると考えます。
 そのために、長野県PTA連合会は引き続き郡市PTA連合会の支援を最優先に考え、また、学級PTA(学級懇談会)の活性化に対する協力をしながら、今後も必要とされる存在であり続けたいと思います。

PTA組織構成

  • 公益社団法人日本PTA全国協議会
    • 日本PTA全国協議会の開催(令和3年度 北九州大会)
    • 三行詩コンクール、広報紙コンクール(日P表彰あり)
    • 64協議会の支援
    • 国内研修事業・会員向け書籍販売
    • 文部科学省等の教育関係諸団体との連携等
  • 関東ブロックPTA協議会
    • 関東ブロックPTA研究大会の開催令和3年度埼玉大会
    • 関東ブロック16協議会の支援情報共有情報発信 日Pへの提言橋渡し
  • 長野県PTA連合会
    • 6郡市PTAの支援、活動の情報共有
    • 日P関ブロPへの提言橋渡し
    • 三行詩コンクール、広報紙コンクール
    • 新役員研修会
    • 陽だまり懇談会研修会
    • 県教委・県小中校長会との懇談会
    • 16郡市連携懇談会
    • 研究委嘱
    • 県P新聞
    • 講演会アンケート
    • 各種調査活動など
  • 地区協議会(4 地区)
    • 地区協議会(年1回~2回)の開催
    • 地区協議会内の連携
  • 郡市PTA連合会
    • 単位PTAの支援・単位PTA活動の情報共有
    • 情報発信(懇談会・研修会開催)
    • 長野県PTA連合会への提言・橋渡し
    • 事務担当者会
    • 市町村教育委員会等の教育諸団体との連携
  • 単位PTA(学校PTA)
    • 学校との連携による教育環境等の充実
    • 学級PTAの支援
    • 郡市PTA連合会への提言・橋渡し
    • 育成会や子ども会等の地区団体との連携
  • 学級PTA
    • 学級での連携による家庭教育・学校教育等の充実
    • 単位PTAへの助言、橋渡し

事業・組織・財政について

 長野県PTA連合会が子どもたちを中心に、大人が活き活きとした背中を見せ、活気ある活動が持続できるように、事業面、組織面、財政面の3つの切り口から、以下の点について大切に考えていきたいと思います。

事業

  1. 県PTAとしての一体事業
    • 三行詩、広報紙コンクールへの参加単位PTAの増加への取組
    • 新役員研修会や陽だまり懇談会・研修会等の研修活動の充実
  2. 郡市PTAとの連携の強化
    • 研修会、懇談会の共催、県P役員の参加
    • 各郡市の活動について16郡市で共有
  3. 教育諸団体との連携の強化
    • 県教育委員会の施策についての懇談と共働
    • 校長会、信濃教育会等の各種教育団体との連携
  4. 情報の共有
    • ホームページ、フェイスブックでの情報の共有
    • 新聞、広報紙やSNS等を使った情報の発信

組織

  1. PTA活動に参加しやすい環境づくり
    • 教育委員会、各種団体との連携により、PTA活動や学校行事に参加しやすい風土の醸成
    • 経営者協会、青年会議所等との共同メッセージの発信
  2. PTA役員経験者の協力
    • 研修会、懇談会のサポーターとしての協力
    • IT関係などの技能やネットワークなどを生かした継続支援
  3. 関ブロ長野大会に向けた準備
    • 関ブロ(令和7年度)に向けた体制作り
  4. 単位PTAの減少による郡市PTAの支援
    • 地区協議会(4地区)等と連携しての支援

財政

  1. PTA会費の見直し以外の改善による財源の確保
    • 交通費、昼食代などの補助の減額など可能な限り支出を抑える方策
    • 役員の役割の明確化と組織体制について
  2. 小・中学生総合補償制度の加入率アップに伴う財源の確保
    • 代理店の機動力を生かしたPTA会員のための保険への加入促進
    • 加入の状況をもとに、未加入の会員への働きかけ